社長ブログ

あの日からもうすぐ一年…

日本国中が翻弄され続けた未曾有の大災害。
今もまだ解決しなければならない課題が余りにも多く途方に暮れてしまいます。
1千年に一度と言う地震に大津波、火災、そして原子力発電所の事故。
どれを一つとっても大変な事件ですから、成すすべがなかったとも思えますが、私達はこの1年で何を学んで来たのでしょうか。
本日4日の21時からのNHK総合テレビジョンで放送された「映像記録3.11〜あの日を忘れない〜」を見られましたでしょうか?
この1年でまとめられた震災の映像が昨日の様にリアルに伝わって来て、改めて沢山の死亡者が出てしまったこと、目の前でどうする事も出来ずに家族や職場の同僚を失った方々の負われた心の傷に、画面からでもその計りしれない悲しみと心の葛藤が伝わってきました。
その上に未だ自分の故郷にさえ戻れない、その土地に入る事も出来ない人々もいます。
幸い大きな被害がなかった私たちは一見普通の生活に戻ったかの様ですが、被災された方々の心情を忘れてはいけないと思いました。
改めてお亡くなりに成られた方々、被災された方々にご冥福とお見舞いを申し上げます。
番組を見ていて改めて気がついた事が有りました。
それは、あるホールで大勢の方が集まって集会が開かれていた時の映像です。
まさにその集会の最中に地震が来た映像なのですが、先ず会場で一斉に携帯電話の緊急地震速報が鳴り出しました。
会場のあちらこちらでなるこの独特のアラームで、人びとの中から「地震だ!」と言っている方が出てきました。

そして実際に揺れが始まるまで映像は流れているのですが、この間約10秒に明らかに次の動作を取っている方が有られました。また、直ぐに天井を確認していた方も数名おられたかと思います。
これは緊急地震速報が少しでも有効に作用した事例かと思います。
しかし中には動揺し、どうしたら良いのか解らない方々も多くおられた様です。
当社でも緊急地震速報システムを取り扱い始めた頃、この数秒で何が出来るのか?を何度も質問されました。しかしあれから6年が過ぎ、今では携帯電話にその情報が届けられる様になりましたが、当初はこのあまりに緊急性が高いこの情報をどう取り扱うのかを気象庁の講堂で討論がありました。
しかし今こうして役に立っている事を感慨深く感じた次第です。
人はそれがたとえ3秒前であったとしても、不意打ちを食らうより遥かに事故を防げるはずです。そのプラス3秒の動作で天井からの落下物をわずかに避ける事が出来たとしたら、体に力を入れる動作が一瞬でも早ければそれが可能になります。
プラスしてその時の揺れが実際に地震であると解る事前認識があります。
多くの人々は揺れている最中にそれを「どんな地震なのか」と冷静に分析できません。
しかし「あらかじめ地震です」と警告されているだけでも対処は変わると思います。
しかしどうしたらいいか解らずただ動揺されているだけの方も多くおられる事については、訓練が必要と言われる理由かと考えます。
また今回の震災で東京の九段の建物でも天井が落下し、死亡者と多数のけが人を出す痛ましい現場が有りました。
今回東京では速報が出てから揺れが到達するまでは約1分近くの猶予が有ったはずです。
もしもその建物が古かったとしても、正確に揺れの速報を伝える術があったなら、たくさんの方を外等へ誘導出来たのではと残念でなりません。
緊急地震速報はまだ不正確な部分も否めませんが、私は1人でも減災出来たなら、致命的損傷に至らずに済んだとすれば、やはりそれは素晴らしく有効な情報なのだと考えます。
ビジネスとしては難しい情報システムですが、一人でも多くの減災に貢献出来ます様に、当社はこれからも活動を継続して参る所存です。
後に成りましたが、当社は3月11日午後4時半〜5時半のBSNの震災特別番組で、この緊急地震速報に関しお話しをさせて頂く予定です。
皆さんも3.11から1年を迎えるこの機会に改めて身辺を見直してみてはいかがでしょうか。

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