社長ブログ

農業と発電のコラボ ソーラーシェアリング

農業ソーラーシェアリング

今週、福島県にある農業ソーラーシェリングの施設を見学してきました。
農業ソーラーシェアリングとは、農地を利用して太陽光発電所を運営する事を言います。

そこで大きな疑問が生じますね。
そもそも農地は農業を行う土地としてその使用は厳しく制限されています。
そうした農地で建物や発電所など設置できるのか?と言うことですね。

そこで当然に他の用途で利用する場合は許可が必要になって来るのです。
今回の発電所においても、発電所を専用の土地として運営するものではなく、あくまで農地を優先し、農作物を育てながらソーラー施設を運営するものとして許可を受けています。

しかしここでまたまた大きな疑問がわきますね。
そうです。「そもそもソーラーパネルによって日陰になっても農作物は大丈夫?育つの?」と言う点です。

農地にソーラーパネルを設置して農作物へ大きな影響、作高の劣化が認められるときは、そもそも設置は認められませんし、設置後もそうした事実がある場合は、作物計画を変えるか、もしくは撤去しなければなりません。

あたりまえですがあくまで農地重視なのです。

しかし…!
全国では既に多くの農地にこうしたソーラーシェアリングが設置されていて、きちんと計画に基づいて運営された施設では、心配された作物への大きな影響が殆ど無い事も解って来ています。

もちろん、穀物やそもそも多くの日照を必要としている農作物には向かないと言われていたのですが、しかし今、そうした常識も覆されようとしています。

この写真でも既に水田や、他では麦畑でも実績があって、ある温暖な地域で収穫された麦の品質が、涼しい地域で採れた様な高品質になったのだそうです。

これはまだ確定ではありませんが、最近の温暖化による気温上昇などにより、「適度な日陰を作ることによって植物へ良い影響になった為ではないか?」と言われているのです。

まだ正式な見分は発表されていませんが、こうした事実はが本当であれば今までの常識は覆られる事になるかもしれません。

また水田で試験した秋田県の事例ですと、他の水田と比較して数%の収穫減と、収穫時期が1週間ほど後になっただけとの事…。

これは驚きの結果と思いませんか?

また逆に長い日照を必要としない品種も多く存在し、そうした農作物には日陰が有効に働く事は理解できます。

極端に言えば、キノコ類はお日様の届かないところに育ちますね。笑

今までは日照重視、「沢山のお日様が確保出来るか」が収穫量を決めて居たのかな?と農業にはシロートの私は考えていたのですが、正にこれは逆転の発想となりました。

そうした事実は既に農家様の方が良くお分かりですので、ソーラーシェアリングを上手く利用して、「農地で発電」は受け入れられて始めています。

以前は「農地にソーラーなんてNGでしょ!」と言う意見が多かったのは仕方ない事と思うのですが、今では農林水産省、自治体、農業委員会、農協など、その道のプロの方々がその利用を検討、推奨し始めています。

私自身、今まで多くの発電施設を運営、携わって来ましたが、太陽光専用の土地や屋根で発電していますので、こうしたシェアリングは土地の活用として極めて有効で素晴らしいシステムになります。

また昨今の休耕地、耕作放棄地、農家後継者不足問題は、かなりの勢いで進んでいると農家様から生の声をお聞きしていますし、事実、私の周囲にも草ぼうぼうの田んぼや畑が増え始めています。

急速に増加するこれらの大きな問題に、農業シェアリングと言う手法は実に有効ですし、発電された電力が少しでも農家様の収入にも貢献出来るのであれば、今の日本で、これほど一石三鳥?それ以上の出来事は無いのでは?と思うのです。

エネルギーと農地…。

一見まったく会い違った見解の場所で、「これからの日本の未来が大きく期待できる一大事業ではないのか?」と私自身考えます。

農業大国の新潟県で、しかも冬季はかなりの雪が降りますが、逆にこの地で農業ソーラーシェアリングが成功できれば、沢山の美味しい食材と、無限のエネルギーを両立して提供出来るのでは無いでしょうか?

「未来は多くの問題点を解決して作られる!」

そんな先駆けに私が少しでも貢献出来たらと願う、今回の見学勉強会でした。

それにしてもこうした問題に果敢に先行して取り組まれている方々に敬意を抱きますし、
今回ご協力頂きました新潟と福島、会津、東京の皆さまには深く感謝申し上げます。

農業ソーラーシェアリング 田(コメ作)

農業ソーラーシェアリング 田(コメ作)

農業ソーラーシェアリング 畑

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