社長ブログ

夏の昼下がりと電気自動車

夏の昼下がりと電気自動車

あっという間に夏になってしまいました。

もう大丈夫かと思えたコロナも様々に姿を変えてまた感染が拡大しています。
今はもう真夏ですのでこんな季節に市中感染が広がるのですからやはり感染力は過去のモノとは違い、まだまだ対策に気を付ける必要があります。

さて、今年三月にも一度経験した電力不足…その時のきっかけは東北地方での地震で火力発電所故障、まだ暖房需要が残る中で一時的に電力供給力の100%を超えたと報道があってまさに大停電危機を突き付けられた事件となりました。

それから約4カ月、早くも明けた梅雨明けと同時に猛暑によって今度は冷房需要による電力ひっ迫が懸念されている訳ですが、まだ夏は始まったばかりですのでこの先が心配の方も多いと思います。

電力需給バランスにおいては様々な議論が有りますが、将来的に再生可能エネルギーに向かうにしても、その不安定さを補うために人工的に送り出せる火力などの発電所は、今もまだ重要な役割を担っています。

しかし不安定なのは再エネだけでは無く、まさかの戦争による燃料の不安定さもありますので、100%安定した電源と言うのは大変難しいのが現状なのです。

ですがしかしここからが本題…!

足りないと言われる電力、実は十分に足りている時間帯にせっかく発電した再エネ電力を捨てている事実をご存じでしょうか?

東北の大震災以降大きく増えた再エネ、特に太陽光発電所が元気に発電する晴れた日中で、さらに電力消費が減る週末の日中の時間帯にその欠損が生じる事があります。

大型の太陽光発電所を運営されている方ならとっくにご存じかと思いますが、まさにその条件下では通信制御によって送電を止められます。

確かに使われない電力を送電する事は、そもそもFIT電源としての無駄も出る事にもなりますので現状では仕方無い事ですが、しかしいくら余ったかと言って、たとえば大切なガスや石油を捨てる事は無いですね。

そう、電気を貯めておく事さえできれば、そうした無駄を無くす事は可能です。

「そんな事は当たり前、それが出来れば苦労は無い、子供だってわかる事…。」
そう思われて仕方ありません。

今まではとても難しかったこの電気を備蓄する事が、実は電気自動車の普及によって膨大に可能な社会になって来るとしたら、自動車の選択肢が大きく変わって見えて来ると思えるのですが如何でしょうか…?

ガスや石油の様に一か所に膨大に貯める蓄電池は理想ではありません。
超大型の蓄電池を置く設備の為に自治体や事業者にとって膨大なコストも必用ですし、またその設備の運営にもまた事業、経営としての有り方、また現在は特に十分な治安管理も必要です。

これからは発電も備蓄も地産地消が望まれますし、備蓄電力も分散型が理想なのですが、その救世主がEVかもしれないと言う事としたら、それは何故か?

1台のEVで20kwh以上、大型のEVでなんと100kwh超えの蓄電池を持つEVが今後数万台規模で増えて来れば、これを束ねる事で膨大な蓄電池市場が生まれる事になります。

およそ約1週間もの電力を備蓄出来るEVがご家庭にあり、それをいざ取り出す事(V2H)さえできれば、何も電力が足りない時に送電網からの電力を購入する必要はありませんし、まして今後はその貯めたEVの電力を送電網へ逆潮流する事さえも技術的には既に可能な段階まで来ていますので、これって凄い出来事ではありませんか?

しかも…これから購入する自動車の選択を私たちがEVにする事で自然とそうした世の中に持って行く事が出来るのです。

私的に、特に乗用車の選択肢がEVしか無いと考えている理由はそこにあります。

また、先ほども述べましたが電気が余る時間帯も有るとすれば、その時にこそ「今こそいっぱい充電してください!その代わり安くして送電しますよ!」と言う市場も形成されます。実は既にその実験としてダイナミックプライシング、市場連動型プランが行われています。
しかも再エネ重視ですね!

安い時間帯に購入して高い時は抑える、逆に高く売れるのであれば送電網へ逆潮流を掛ける事でEVユーザーが売電事業者になれるかもしれません。

今までは出来なかったこうした電力市場も、今後EVがどんどん増える事で可能になるとしたら、EVは単に走るだけの道具から世の中のエネルギー問題を解決出来る救世主になると思えて来ませんか?

しかも、自動車好きなドライバーも満足させる運動高性能も備わっているのですから。

今までは高額で手が届かない存在であった電気自動車も今回軽型電気自動車として日産と三菱から発売されています。

この軽タイプのEV、1kwhの電力で10㎞以上走行出来る事が解っています。
御存じかと思いますが、1kwh約27円~、FIT切れソーラー自家消費であれば数円?で、とてもお財布にも優しいですね。

以上、EVが単に自動車の替え替えでは無く、エネルギー市場まで含めた夢の実現に一歩近づける存在で有る事を御伝え出来ていれば幸いです。

私達は電気工事会社としてこの様な重要な問題解決に少しでも貢献が出来る様引き続き取り組んで参ります。

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