この春の新電力市場低圧一般市場への開放に向けて、各社フライングスタートとも言えそうな顧客争奪戦が始まっています。
特に関東圏は凄い事になっています。
以前もお話した様に、高圧の市場が自由化されてから既に10年以上経過している訳ですが、それは電力を沢山使用する主に企業でしたので、今回の一般家庭までに及ぶ完全自由化は国内では初めての出来事です。
五十年以上の、一地域一社の電力販売構造が大きな転換点を迎える訳で、今まで通信市場が既に自由混戦状態になっている様に、これからは自分の好みの電力会社からの「電気」を購入、利用する事が出来る様になります。
報道でも散々お伝えしていますが、結局今の送電線から電気を購入するのに、「なぜ請求書だけが違う電力会社から来る事が出来るのか?しかも今までよりも何故に安価に販売できるのか?」
その辺のシステムが全くと言って解りにくいですね。
今までも発電所は水力、火力などあちこちに沢山あった訳で、今度はその発電所が各々違う会社という事になって、あくまで送る側の電力量と消費する側の電力量が同時同量で有れば、何処で生まれた電力であろうとも送電線から受電する事は可能です。
もっとわかりやすく言うと、各発電会社が皆で共有出来る電力プールに一斉に溜めて、それを送電線に流して、各消費者が発電所を選んで利用しているイメージでわかるでしょうか。
欲しいと言った電気の量を、自分が選択した発電所がリアルに発電するからこそ成り立つという事です。
とにかく一度理解すれば至って簡単なシステムなのですが…やっぱりわかりにくいですよね。笑
しかしそれを可能にしたのが、その同時同量の送電システムとしてITを利用したスマートメーターなのです。
30分ごとに客先の消費量を正確に掌握する事で、発電会社がそれに合わせた電力を供給すれば良く、個々に監視しながら正確に発電できますので、逆に発電ロスも少なく出来ますし、再生可能エネルギーも有効に利用する新電力会社も参入できるわけです。
今朝のNHKの番組でも特集で取り上げられていましたが、消費者がどういう形で発電された電力会社であるかを選択できますので、巨大なケミカルなのか、CO2がメインなのか、それとも再生可能エネルギー重視なのかを選べるようになります。
ドイツでは発足当時僅か数パーセントだった再生可能エネルギーを選択する需要家が、今では全体の25%くらいまでになっているのだとか…。
発電コストが高いと言われている再生可能エネルギーも、たとえば太陽光も20年以上のランニングコストで考慮した時は、もはやグリッドで購入するよりも安価になりつつあるのです。
問題は大きく変動する太陽光や風力などの電気を上手に溜める術さえ持てば、オフグリッドはもう可能な時代へ入って来ています。
電気は私たちの暮らしに必ず必要なのですから、必要であれば10Kwh位のバッテリーは手の届くところまで来ているのです。
1台数百万円する自動車が、約5から10年で新車に入れ替わるような社会です。
蓄電池も同じように普及する事は容易なのではないかとテスラの代表は言っています。
今回の新電力市場の開放はそんな布石なのだと私は思います。
そしてこの先の10年が、あのころは大変だったと言えるように、再生可能エネルギーが当たり前の社会になっている事を目指して行きたいと思いませんか?
当社では既にこの辺を理解して下さる需要家様から評価され、販売を勧めさせて頂いております。
担当の杉山、中澤もこの世紀一大イベントに今から一生懸命取り組んでおりますので、皆様の応援を宜しくお願い致します。