はじめに

 
高齢者のみなさんが抱える不安とはどのようなものなのでしょうか?

まずは、自分の将来の日常生活全般において不安を感じている高齢者の割合のデータがこちらにあります。
 
平成11年度からの調査で、自分の将来の日常生活全般において不安を感じる高齢者の割合が、平成22年度に初めて70%を上回ったという報告がされています。

 また、健康状態別にみると「良くない」人の85.5%が将来の日常生活に不安を感じている。という結果も報告されています。 

どんな不安?

 
では、具体的にはどのような不安を抱えているのでしょうか?

 
 
具体的な不安に感じている点についてみていくと、過去の調査と比較すると「自分や配偶者の健康や病気のこと」、「生活のための収入のこと」、「子や孫の将来のこと」についての不安が増えているという報告がされています。やはり、健康面、経済面が与える不安は大きなものがあることがわかります。

また、今回のグラフには記載しませんでしたが、その他の不安としては「家業、家屋、土地・田畑や祖先のお墓の管理や相続のこと」「親や兄弟などの世話」「犯罪に巻き込まれて財産を失ってしまうこと」「家族との人間関係」「言葉、生活様式、人々の考え方などが大きく変わってしまうこと」「人との付き合いのこと」等が挙げられていました。

まとめ

 
この調査結果から自らの将来を不安に感じている高齢者は年々増加傾向にあることが分かりました。その背景としては、景気の悪化なども原因の一つとして考えられるようです。しかし、これから高齢化社会を迎える今、私たちに課せられた課題は、高齢者が安心して暮らせるための社会づくりであることは言うまでもありません。

また家族の在り方が変化してきた今、グラフの不安要因にもあった独居老人の増加の問題も見過ごしてはならない課題の一つであると思います。一人で孤独を抱え、一人で最後のときを迎えるようなことは決してあってはいけない、そのためにも家族の在り方をもう一度見直すとともに、社会全体で高齢者のみなさんを見守り、支えるシステム(体制作り)が求められるのではないでしょうか。

高齢者の皆さんが不安を抱えることなく、穏やかに過ごすことのできる社会づくりに貢献していきたいと改めて考えさせられたデータとなりました。



 *平成22年4月2日内閣府発表『高齢者の日常生活に関する意識調査』結果【要約】より文章・データ一部引用
TOP